友人との会話から心理を読み取り、英語と日本語で考える

女性がストレスを解消したいときに向かうものは“Tend and befriend”だとする理論があります。これを簡単に説明すると“子どもの世話と友人との打ち解けたおしゃべり”。それに対して男性はストレスに対し闘争や逃走反応を示すとされていますから、女性にとっておしゃべりには大きな意味があります。そんな「女性の友人同士の会話」がこの授業の研究対象です。

会話というのは、かみあっているときは非常に心地良いけれど、どちらかにズレが生じるととたんに居心地が悪くなります。そんなときの言葉や心理がどのようなものか、まずは英語話者の例をみながら考えます。そしてそれをもとに自分たちが日頃交わしている会話を思い返し、日本語で女性はどのように心を通わせたり口喧嘩をしたりしているかを観察します。

女性同士の会話には共通点がある

英語の場合、日本語ほど言葉上の男女差が出ません。しかし「髪の毛切った?」という会話、これは英語でも日本語でも女性に多くみられます。また女性は相手の話に自分の話を重ねながら会話を続けますが、それを嫌がる男性は少なくありません。これも日米共通してみられる傾向です。このように言語は違っても共通項がいくつも出てきます。そこで、「ある日、友人が自分とまったく同じ服を着ていた。ちょっと困ってしまった」という英語の体験談を読んだ後、学生に「みなさんならどう感じますか」と質問してみました。すると「嬉しい」という意見が半分、「嫌だと思う」が半分という結果となりました。同じ状況でも受け止め方は人によってさまざま。授業では学生への問いかけを大切にしていますが、それは書いてあることを鵜呑みにせず、自分自身の問題として捉えてほしいと考えているからです。

スタイルの違いを認めることで、自分自身も成長する

学生時代は友人との付き合いが多く、非常に楽しい一方、その中で悩むこともあります。友人と接している時間が長いため、いいことでも悪いことでも友人の存在が大きいのです。この授業では友人同士のコミュニケーションスタイルを読み解き理解していきますが、一番伝えたいのは「違うスタイルを認めよう」ということです。会話のスタイルはそれまでの人生で培ってきたもの、いわばその人の歴史です。違いを疎んじるのではなく、違うことは当たり前と寛容な心で捉えられるようになってほしいですし、それは必ず自分の成長につながります。社会に出ると友人関係は学生時代と変わっていきますので、今の濃厚な友人関係からそれぞれが何かをつかみ、社会に出る準備をしてほしいと考えています。

国際コミュニケーション学部 国際言語コミュニケーション学科 深谷 輝彦 教授

コミュニケーションスタイルの違いを乗り越えると
留学生活がより楽しく、充実したものになる。

国際コミュニケーション学部 国際言語コミュニケーション学科 深谷 輝彦 教授

よく言われることですが、日本語のコミュニケーションはお互いに頼り合うコミュニケーションです。こう言ったら相手はこう思うだろうから、自分はこんな対応をしよう、そう考えながら言葉を使っており、生活環境やものの見方など共通する部分が多いからこそ可能なコミュニケーションスタイルといえます。しかし海外には「自分は自分」と立場をはっきりさせ、お互いに言いたいことを言い合うスタイルがあります。そこでは日本人ほど忖度が働かないため、自分から「こうしたい」と言わなければ何も始まりません。国際コミュニケーション学部では海外留学に挑戦する学生が多くいますが、彼女たちはまず最初にここで苦労します。さじ加減をつかむのに2〜3週間ほどかかるようですね。しかしそれを乗り越えた後は、みな留学を最高に楽しんでいます。近年では学生の希望も多様化しているため、期間も内容もバラエティに富み、中にはハワイで就業体験を行うプログラムもあります。学生の好奇心に対応するため、留学先との提携やプログラムの開発にも力を入れています。

※2019年度実施授業