子ども発達学科
道徳の指導法
子どもたちとの
信頼関係を築きながら
豊かな感受性と道徳心を育む。
子どもの道徳心を育む方法を学ぶ
「どうしたら、子どもを道徳心のある人間に育てられるか」。この難しいテーマに取り組むことが、この授業の課題です。道徳心のある人間とは、「道徳的な価値」を理解して「道徳的な判断力」「道徳的な実践力」を持つ人のこと。小学校低学年では「靴を脱いだらそろえてしまう」などの道徳的な価値をまず知ることが大切ですが、高学年や中学生になると「知っているけどできない」ことが増えてきます。そういうときに罰を与えると、先生が見ているときだけ仕方なくやる、という育ち方をしてしまいます。自分からできるようになるには、「こうした方が自分のためだし、みんなのため」と納得感を持って考えられることが大切。その前提となるのが「道徳的な感受性」です。この感受性を育てるためにどうすれば良いか、さまざまな方法を学生自身が体験しながら学びます。

感受性というベースの上に、知識や理解を積み重ねる
道徳的な感受性とは、捨てられた子猫を見たときに「何とかしてあげたい」と思うような心の動きです。明確に自覚していなくても、何となく心が「もやっ」とする感じ。その上に知識や理解が積み上がってはじめて道徳的な判断と行動ができるようになります。しかし、この感受性が育たないまま学校に来ている子どももいます。そんな子どもに道徳を教えるには、「この人が言うなら間違いない」と思ってもらえる信頼関係、そして「共感」が大切。そのため、大学の授業では学生が児童役になって道徳のモデル授業を行い、彼女たち自身がまず納得感や共感をつかんでいきます。例えば、自分だけ得しようとすると自分も相手も損をする、しかしみんなのためを考えて行動すると全員が良い結果で終わる、そんなゲームを取り入れたりします。他にも学習指導要領の内容から宝探しをしたり、絵本を読み解いたりするなど、さまざまな教材を工夫して取り入れています。

道徳の授業を発展させ、普段の生活に結び付ける
小中学校では道徳が教科化され、2018年度には検定教科書もできました。しかし教科書をなぞるばかりでは、子どもたちは先生を喜ばせる答えを書くだけで終わってしまいます。そうならないために、教科書をひとつのきっかけとして発展的に展開をしていけたらと思います。例えば、道徳の時間に今日からできるお手伝いを考え、家でも学校でもそれができたときは印をつける、そんな試みが考えられます。ただしそのときは、子どもたち一人ひとりの家族構成や放課後の過ごし方に配慮することが必要です。大学の授業でも検定教科書を研究して学生がアイデアを出し、自分たちが良いと考える授業構成を発表することがあります。最初は学生が一人で考えますが、グループ内で共有して意見を伝え合うことで広い視野が取り入れられ、深く考えられたアイデアにブラッシュアップされていきます。


※この記事は、2019年度の授業内容を取材したものです。