現代マネジメント学科

商品開発論

商品開発の難しさと
おもしろさを知り
マーケティングを通じて
社会とつながる。

新しいモノやサービスを0から創造する1年間

前期の「中小企業経営論」とあわせ、一年をかけて新規事業とそのマーケティングの企画立案を行います。最終的にはビジネスプランコンテストへの出場を念頭においていて、企画以外にも審査員にアピールするための資料づくりや具体的なプレゼン方法も学習。リアリティのある実践体験ができる授業です。

前期ではベンチャー企業の特性や事業の創造プロセスについて学び、5人前後のグループにわかれて、起ち上げる新規事業とそれをどう大きくするかの構想をイメージし、ビジネスプランを作成。後期のこの授業では、それに基づいて、SWOT分析やSTP分析によって、自分の強み・弱みを分析し、市場のどこに狙いを定め、どのような商品やサービスを開発し、どのようにマーケティングするかをプランニングします。

「何をつくりたいか」だけでは商品開発はできない

マーケティングとは、消費者の求める価値(モノやサービス)を調査し、どのようにアプローチすれば購買に結びつくかを、データや調査に基づいて分析・検討する仕事です。以前は、「いつかクラウン」といった、世代や階層によって求められる商品のタイプがありましたが、現代ではそれが多様化し、見えにくくなっています。そのために、タウンウォッチングや口コミ、SNS、インターネット、発売された新商品やサービスなどから、社会や生活の変化を鋭敏に感じ取り、どのような人が、何に価値を感じ、それがどのような商品やサービス、それを提供する仕組みによってもたらされているのかを入念にリサーチすることが大切です。商品開発は、「何をつくりたいか」をぼんやり夢想することではなく、入念な調査とデータの分析に基づく科学であり、モノやサービスだけでなく、価格や広告宣伝、どの店(チャネル)で売るのかなど、マーケティングミックスを考えることです。

企業のトップで輝ける人材に

環境や社会問題の解決につながる独創的なアイデアで、事業への投資を引き出す実現可能なアイデアを生み出すためには、ブレインストーミングやKJ法※などの創造性開発の方法も活用しながら、アイデア出しをしたり、出てきたアイデアを組み合わせて独創的なアイデアに仕上げます。コンテストに出場し、優勝あるいは入賞を勝ち取るためには、プレゼンテーションの技術も不可欠です。スマホは扱えるがPCはさわったことがないという学生のために、授業のなかで発表の機会を設け、パワーポイントのまとめ方やプレゼンの進め方をアドバイスします。

名古屋には堅実な企業が多く、女性が起業家精神を発揮し、新しい事業の開発や企業の革新に挑戦する場面はこれまでは少なかったのですが、世界を見渡すと、多くの女性トップが大企業で活躍し、実績を上げています。椙山の教室から、最前線で羽ばたく経営者が現れることを期待したいですね。※KJ法:グループでアイデアを出し合うブレインストーミングなどで集まった多くの情報を、カードを使ってまとめ、独創的なアイデアを生み出したり、問題解決の糸口を探る方法

現代マネジメント学部 現代マネジメント学科 角田 隆太郎 教授

大学の授業は、
新しいカルチャーをつくる生きた空間

現代マネジメント学部 現代マネジメント学科 角田 隆太郎 教授

私のゼミでは、創業90年の老舗企業やスイーツ素材を販売する会社など、地域の企業との共同研究を行っています。学生にとっては現実社会に触れるよい機会なのですが、企業の課題を聞いて解決策を考えるときに、学生に多面的な視点が備わっていないとワンパターンの答えしか出てきません。そのために2年次からディベイトやディスカッションを取り入れて、ある問題をさまざまな側面から考えたり、ビジネススクールで用いられているケース・スタディで、実践的な問題解決の方法を学び、企業人や社会人と対等に議論できる能力を磨くようにしています。
現代の大学生には、出されたメニュから選ぶ消費者のような意識が強いように感じます。現実の社会に足を突っ込んでみて、そこで発見した問題に挑戦する企業家的なカルチャーを育んでもらえればと思っています。

※この記事は、2018年度の授業内容を取材したものです。