子ども発達学科
模擬授業演習
学んできたことを生かしながら
保育・教育の現場で役立つ
実践力を身に付ける。
授業をつくりあげるプロセスを体験する
模擬授業演習は、保育・幼稚園実習に行く前に学生自身が先生役を体験し、一歩踏み込んだ気持ちで実習に臨めるよう、準備するための演習です。先生役になった学生がおよそ20分の模擬授業を行い、他の学生は子どもになったつもりで参加します。先生役の学生は、自分が担当する日までに指導計画書を作成します。何歳向けなのか、何のために・何を・どうやって行うのか、時間配分や細かい声かけまで、すべてを考えて計画し、できあがった指導計画書を教員が確認します。展開に無理があったり、内容が目的にあっていなかったりする場合は何度でもやり直しになります。こうしてできた指導計画書をもとに、今度は授業の準備に取り組みます。さまざまな試行錯誤の末、行われる模擬授業。学生たちは、実に生き生きと先生役を楽しんでいます。

先生役も子ども役も、全員が学び合う模擬授業
子ども役の学生は、大人なら失敗しないようなことも子どもになりきって失敗してみせたり、いろいろと工夫しながら参加しています。うまくいかずに授業の流れが滞ると「こうやると上手くいかないんだ」とクラス全員が理解できるため、模擬授業での失敗はとても重要な要素なのです。その後は学生同士でよかった点・よくなかった点を講評し、お互いに学び合いながら次の実践につなげていきます。Plan(計画) ・Do(実行)・ Check(検証)・Action(改善)を繰り返すPDCAサイクルにのっとった形ですね。授業を計画し、体験することも大事ですが、何がよくて何が悪かったか振り返り、他の人はどう受け取り、どう評価したか。それらを受け入れて先に進むことが一番大切なのです。

体験したことが就職後に生きてくる
保育現場で働く卒業生には、学生時代に作成した指導計画を今でも持っていて、見直して仕事に生かしているという人が結構います。子ども一人ひとりが輝く表現方法とは何か、発達段階ごとに伝え方はどう変わるか、どんな色・大きさ・材質の素材が必要になるのか、それを受け取った子どもはどんな行動をとるのか…。保育・教育者が考えなければならないことは山ほどあり、子どもの個性もさまざま。そこで、実習では「これはダメ」というのではなく「こういうやり方もあるよね」と可能性を広げるようにアドバイス。ざわついた教室で自分の声が通りにくいなら、リズミカルに手を叩いて子どもの注意を引くなど、苦手な部分を技術で補うことは十分に可能です。そのような柔軟さを身につけながら、保育・教育現場で役立つ実践力を養います。


※この記事は、2018年度の授業内容を取材したものです。