メディア情報学科

テレビ制作基礎

本格的なスタジオでの
実践を通じて
映像メディアの基礎を学ぶ。

放送局並みのハイビジョンスタジオ

「3、2、1、キュー! 」。プログラムディレクター役の学生の合図に、スタジオでは司会役がトークを始め、調整室のマルチモニターには、カメラマン役がズームした映像が映し出されました。ここは、文化情報学部メディア棟地階のスタジオ。本格的な撮影ができるスタジオフロアと、音声の調整や映像の切り替えなどを行う調整室、映像を加工する映像編集室が備えられており、放送局並みの番組制作が可能です。

映像制作に取り組んでいるのは、「テレビ制作基礎」の授業を履修するメディア情報学科の2年生。1年次に「ジャーナリズム論」や「テレビ制作概論」などの授業を通して身につけたメディアに関する基礎的な知識をもとに、初めての番組制作に挑戦中です。全15回の授業のうち、今日は3回目の授業。1回目、2回目の授業で、スタジオ機材や映像制作に関わるスタッフの役割や機材の扱い方を学び、今日を迎えました。

番組制作のあらゆるポジションを経験

授業の初めに学生たちは、制作者側と出演者側に分かれてそれぞれの役割を決定。続いて、担当教員の栃窪先生から撮影の流れや機材の操作方法の指導を受けて1回目の練習へ。リハーサルと称して全体の流れを確認する2回目の練習を経て、本番の3回目を迎えました。すると、出演者はアドリブをこなし、カメラマンは対象にパン(カメラを固定したままフレームを移動する技術)、スイッチャーは台本通りに映像を切り替え、プログラムディレクターも栃窪先生のサポートを受けながら指示を飛ばすまでに。栃窪先生の「おつかれさまでした。初めてにしては上出来です」の声を合図に収録を切り上げると、調整室で映像を振り返りながらの「反省会」を経て、90分の授業が終了しました。

今後の授業では、その都度メンバーのポジションを変えながら、さらにアドリブの多いクイズ番組やアーティスティックな絵作りを試みる音楽番組などに挑戦していきます。

幅広い職業で役立つ動画制作への理解

「テレビ制作基礎」は、映像メディアの入門とも言える授業です。この先、映像制作を専門に学びたい学生には、3年次に「テレビ制作演習」が用意されており、さらに「展開演習(ゼミ)」では、地域と連携したさまざまな映像作品づくりを通して、卒業制作を進めることが可能です。

椙山では、専門学校のようにカメラマンやディレクターという専門職の養成を目的にはしていません。しかし、テレビ番組制作現場の仕事を志望する学生にとっては、その貴重なスタートライン。企業の広報職や企画職、広告業界へ就職した場合でも、映像制作とスタッフの役割への体験的な理解は、必ず役に立つでしょう。さらに、グループでものづくりをする経験は、コミュニケーション能力、バランス能力、企画力を高めることにつながります。台本作成では創造力を、出演者としての体験では表現力を磨くなど、社会生活に欠かせない総合力を養うことができる授業です。

文化情報学部 メディア情報学科 栃窪 優二 教授

地域貢献へとつながる情報発信の力

文化情報学部 メディア情報学科 栃窪 優二 教授

選択科目でありながら例年約8割もの学生が履修する「テレビ制作基礎」を通じて、皆さんの映像メディアに対する関心の高さを実感しています。私は、民放テレビ局の制作部門で現場スタッフを経験したのち、報道番組のデスクやプロデューサーなど、さまざまなスポットを務めてきました。役割が細分化されているテレビ局では珍しいマルチな経験を生かし、本格的な指導ができるように力を尽くしています。多くの地域連携プロジェクトが随時進行する本学でもメディア情報学科では、名古屋市の広報課と共同制作した映像を名古屋市市政広報映像サイト「まるはっちゅーぶ」で公開したり、東山動植物園のバーチャルサイト用動画を制作したり、地域の仏像を映像でアーカイブしたりと、年間約30本もの動画を手掛けて大きな反響をいただいています。ぜひ、市民ジャーナリストとしての入り口に立ち、地域貢献の機会にもなる貴重な情報発信を経験してください。

※この記事は、2018年度の授業内容を取材したものです。